リスクから学びとる
たとえば園庭の環境・・・・年齢を想定した大型遊具が配置されています。チャレンジ砦・ステップ砦・ウエーブ滑り台・オルドラムなど、子どもたちの体や心を刺激する環境がたくさん。
ただし、原町の園庭では危険を全て排除していません。木登りだってできます。でも大人は手伝わないで下さい。なぜなら大人の手を借りて登ってしまった子どもは危険だからです。
木の上に身体を引き上げられる子どもは、木に登っても大丈夫、自分の身を守る力が育っているからです。だから大人は木登りを手伝ってはいけない、励まし見守り、認める!
危機管理能力といわれる力をつけるには管理され過ぎた環境は効果を発揮しません。ちょっとヒヤリとしたり、擦りむいて痛い目にあったり、こわかったり・・・
だから「こんどは注意しよう」「もっと上手にやろう」「あそこに登りたい!」という意欲や危機管理能力が育ってくるのだと思います。
これは体験を通して体得していくしかありません。
原町幼稚園の園庭では、クギが出ていたり、構造上危険なものが放置されているといった《ハザード》は取り除き管理していますが、子どもたちが感じることのできる必要な《リスク》は残してあります。もちろんケガを推奨しているわけでなありません。
「やっていいこと、いけないこと」の子どもたちに伝えるべきルールもきちんと存在します。
子どもたちが、本当に将来を生きていく力をつけるための必要なリスク、多少のケガは成長へのステップの一つと考えています。
ケンカと人間関係
誰しも我が子には嫌な思いをさせたくないものです。
しかし、人生には嫌な思いも良い思いもどちらもやってくるのです、親がいつまでも子どもを守ることはできません。
だから、体も心もしなやかに強くなってほしいと願うのです。
ケガやケンカは子どもの心の発達には経験したほうが望ましい経験だと考えています。
ただ、ケンカは幼児の場合ほったらかしでは良い経験になり得ないことが多く、良い経験として学習するには大人の適切な関わりが必要になってきます。
幼稚園では年少児の1学期が自己主張のぶつかり合いから直接的なケンカが起こり、ことばが発達して自分の気持ちを友だち、先生に伝えることができるようになってくると徐々に回数が減っていきます。
次の段階は、ことばを駆使して「言い争い」のケンカをします。ケンカをして嫌な気持ちを経験することで、「どういう態度や言葉で自分の気持ちを伝えたら良いか」考えることを繰り返すことで、子どもたちは発達していきます。それに、ケンカをしても何かきっかけがあればすぐに仲直りできるのが子どもの特技です。
ケンカやトラブル、嫌な気持ちを体験することも人づきあいの大切な学習の機会なのです。